苦しみである
それは突然起こった。
どんな想念が起きるかじっと待っていたときだった。
エネルギーが具現化しようとした瞬間、言い換えるなら、認識が起きようとした瞬間、「苦しみである」という直観とともにエネルギーが消散した。
もはやそのエネルギーが具現化することなく、それ以来苦しみのほとんどが消えてしまった。
もはや生きにくいということがなくなった。
今行動に移せる思考だけが起きてくる。それ以外の妄想は起きない。
たとえ起きたとしても速やかに消えていくだろう。
そして行動に移すかどうか何のしがらみもなく決定できる。
周りと隔絶したかのような静けさの中で。
壁をまた一つ越えた。そう感じた。
驚くほど仏教の第二禅に似た境地だ。
次の壁を越えたら、記録を残そうという気もなくなるかもしれない。