心境
色付けのない存在感。
それに反比例して個人としての感覚のなさ。
今できることだけが思考に上がってくる。
それ以外の思考はまず出てこないし、出てきたとしてもたちまちかき消えてしまうだろう。
思考は直ちに行動に移すことができる。行動したとしても行動している感覚はない。
ただ気づいているだけ。
行動に移さなければ、思考はその場で消えていく。
いつも静かである。穏やかである。そのような背景に全ての知覚は現れ、消えていく。
全ての選択は完璧である。だから全ての選択肢は等価値である。
だから結果を想像することなくどの選択肢も自由に選ぶことができる。
どれを選んでも他の選択肢を選ばなかったことを気にすることがない。
これが本当に自由に選択するということである。
意識だけが存在する。認識されなければ、全ては意識である。
認識されることで物質が現れ、精神現象が起こる。
「今」全ては意識である。
認識したとたん、それは過去になる。
何もしなくても完璧に幸せそのものなのに、何かをして幸せになろうとしていたそのおかしみ。
やはり幸せの青い鳥はすぐそばにいた。
何かをしようとすればするほど実在に雲がかかっていった。
止まろう、留まろうとするのに本来は努力は要らないのに、慣性がついているので止まろうとするのに努力がいる。